熊本県菊池郡大津町の皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科 Ozu nakashima dermatology & cosmetic dermatology

皮膚科(保険診療)

赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢の方々のさまざまなお悩みにお応えしています。また、同じ疾患であっても、患者さんの状況や生活スタイルに合わせて柔軟な治療を行います。薬の塗り方やスキンケアについても丁寧にご説明いたしますので、どうぞ安心してご相談ください。

アトピー性皮膚炎

慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返し、お悩みの方も多い疾患です。
当院では、患者さんの症状や生活スタイルに合わせ、治療を続けていくための最も良い方法をご提案させていただきます。

症状

多くは乳幼児期に発症し、顔や首に湿疹が生じ、徐々に体や手足に広がってきます。左右対称性にかゆみの強い皮疹がみられ、良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患です。アレルギー体質であること、皮膚のバリア機能が低下しているため皮膚が乾燥しやすく敏感になっていることで引き起こされます。

治療方針・内容

アトピー性皮膚炎の定義のひとつに「慢性・反復性の経過」とあり、乳児では2ヵ月以上、それ以降の患者様では6ヵ月以上とされてます。つまり経過を見なければアトピー性皮膚炎と診断することはできません。そのため定期的に受診いただき、経過を見ていくことが大切です。

治療はスキンケア、かゆみや炎症を抑えるためのステロイドや免疫抑制剤の外用薬、そして抗アレルギー薬の内服を中心に治療を始めます。近年、注射薬や新しい内服薬も登場し、治療の選択肢が広がっています。

ニキビ(尋常性ざ瘡)

症状

ニキビは皮膚科で治療する慢性疾患のひとつです。思春期になり皮脂がたくさん分泌され、毛穴の出口がつまってしまうことから始まります。この状態を「コメド(面ぽう)」(白ニキビや黒ニキビ)と呼びます。アクネ菌は誰もが持っている肌の常在菌ですが、コメドの中で増殖したアクネ菌は炎症を引き起こし、赤ニキビになります。

治療方針・内容

ニキビの治療は、毛穴の詰まりをとることが重要です。塗り薬、飲み薬を中心に治療し、適切なスキンケアや生活習慣の改善も行います。早期に治療を始めることでニキビ跡ができないようにすること、さらにはニキビができにくい肌作りを目指しましょう。ニキビの症状が落ち着くまでには少々時間を要しますので、根気よく治療を続けていくことが大切です。

当院では保険診療に加えて、毛穴洗浄やピーリング、プラズマ照射、エレクトロポレーションなどを組み合わせて治療します。これまでのニキビ治療に満足されなかった方も是非一度ご相談ください。赤ら顔の治療はニキビの炎症が落ち着いたのちに行うことを推奨しております。

よくご相談いただく症状と治療方針

赤ら顔(酒さ)

症状

酒さは「赤ら顔」とも呼ばれ、顔面に生じる慢性炎症性疾患です。中年以降に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。

鼻や頬、額などに赤みやニキビのような症状が出ることがあります。また、ほてりやヒリヒリ感がみられることもあります。発症原因は明確ではありませんが、過度の日光曝露、精神的ストレス、飲酒、刺激物の摂取、寒暖差などが悪化因子になるといわれています。

治療方針・内容

ご自身の酒さが悪化する原因を特定し、その因子を避けることが大切です。また、適切なスキンケアも治療の一つです。酒さの治療は長期的に付き合っていくことになります。また、当院では赤みを取る効果が強いIPL光治療(セレックV)を導入しております。

円形脱毛症

症状

毛を作る毛包周囲に炎症が起き、一部のリンパ球が毛包の組織を壊そうとする自己免疫反応により、毛が抜けてしまう病気です。脱毛症状は頭部だけでなく、眉毛や睫毛、体毛など、身体のどの部分にも起きる可能性があります。アトピーの素因、甲状腺の病気や膠原病との関連もいわれているため、急激に拡大する場合や脱毛面積が広い場合には採血検査が必要です。

治療方針・内容

ステロイド外用薬は実施しやすく世界で広く行われている治療です。ステロイド局所注射は痛みを伴うため、脱毛の範囲が広くない場合には有効な治療ですが、小児には行いにくいといった面もあります。局所免疫療法は、SADBEという化学物質を脱毛部位に外用し、アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)を繰り返し起こすことで免疫バランスを変化させ円形脱毛症が改善することをねらったものです(保険外診療、当院では取り扱いがございません)。

また、急速に広範囲に脱毛が進むような場合には入院し点滴静注ステロイドパルス療法が行われる場合もあります(総合病院へ紹介いたします)。

その他、セファランチン内服、カプロニウム外用薬、紫外線療法、局所冷却療法(保険適応外)などが一般的に行われます。最近では発症より6ヵ月以上経過した難治の症例に限りJAK阻害剤内服が有効とされています。

多汗症

症状

全身の発汗が増加する「全身性多汗症」と手のひらやワキ、足の裏などの局所の発汗が増加する「局所性多汗症」があります。さらに、それぞれ特に原因のない特発性と、ほかの疾患に合併して起きる続発性に分類されます。

治療方針・内容

当院では保険適応の治療に加えて、自費診療での治療(外用薬、ボトックス注射)も行っております。

帯状疱疹

症状

子どもの頃に感染した水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症します。ウイルスは脳や脊髄の神経節に潜伏し、病気や疲労、ストレスなどで免疫機能が低下すると再活性化します。これにより、知覚神経に沿って通常体の片側に痛みを伴う赤みや水疱が生じます。

治療方針・内容

治療は抗ウイルス薬の内服あるいは注射を行います。発症する部位によっては、眼合併症、顔面神経麻痺、難聴、排尿障害などが起こることもあります。
また、帯状疱疹の皮膚症状が治まった後でも神経痛が残ることがあります(帯状疱疹後神経痛)。

50歳以上の方は、ワクチン接種で予防することも可能です。必ず発症を抑えられるわけではありませんが、発症しても症状を軽くしたり、帯状疱疹後神経痛を軽減したりする効果があります。当院でもワクチン接種を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

帯状疱疹ワクチン(自費診療)

帯状疱疹ワクチンは、水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる帯状疱疹を予防するためのワクチンです。このワクチンは、ウイルスに対する免疫応答を強化し、帯状疱疹の発症リスクを減らします。

50歳代から帯状疱疹の発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症すると言われているため、通常、帯状疱疹ワクチンは50歳以上の成人に推奨されています。

帯状疱疹ワクチンには「生ワクチン」と「サブユニットワクチン」の二種類がありますが、サブユニットワクチンの帯状疱疹予防効果は、接種後1年は97.7%、10年目でも73.2%と、長期間にわたり効果が維持されることが分かっています。また、帯状疱疹の合併症として、皮膚症状が治った後も痛みが続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」の予防効果も高いとされます。

このため、当院ではサブユニットワクチンである「シングリックス」のみを取り扱いさせていただいております。

費用(税込)

1回 ¥22,000(※2ヵ月後に2回目の接種が必要なため、2回で¥44,000)

ヘルペス

症状

単純ヘルペスウイルスの感染によって生じ、顔にできるⅠ型と外陰部・臀部にできるⅡ型があります。

治療方針・内容

治療は抗ウイルス薬の内服あるいは外用を行います。単純ヘルペスは一度感染すると神経節に潜伏し、疲労やストレス、月経などが誘因で再発します。皮疹が出る前に、ピリピリするなどの予兆の時点で内服を開始すると治りが早くなります。そのため、再発に備えてあらかじめ内服薬を処方する治療法もあります(PIT:Patient Initiated Therapy)。

光線治療

治療内容

紫外線の中でも「免疫を調節する機能」を持つ特定の波長の光を利用した治療法です。健康な皮膚にダメージを与えずに、病変部のみを治療できる安全性の高い機器になります。

週1~2回程度の通院で効果が現れます。光線過敏症の方、皮膚悪性腫瘍の合併・既往のある方は紫外線療法を受けることができません。

適応疾患
  • 尋常性乾癬
  • 尋常性白斑
  • 掌蹠膿疱症
  • アトピー性皮膚炎
  • 円形脱毛症

蕁麻疹(じんましん)

症状

境界がはっきりとした盛り上がりのある発疹が突然現れて、とても痒いことが多いのが特徴です。跡形もなく数時間で消える場合や、蕁麻疹がどんどん新しく現れて全身に拡大する場合もありますが、同じところに24時間以上症状が持続することはありません。蕁麻疹は気管にも生じることがあります。息苦しさなどを自覚したら直ぐに救急病院を受診してください。

治療方針・内容

問診で蕁麻疹の原因が分かれば、それを避けるようにします。しかし実際は原因が分からないことが多くあります。治療は抗アレルギー剤の内服が中心になります。難治の場合は、注射薬の治療が適応になる方もいます。

その他、いぼ(ウイルス性疣贅)、かぶれ(接触性皮膚炎)、水虫・たむし(白癬)、皮膚のできもの(脂漏性角化症、粉瘤など)などの皮膚科疾患につきましては、日本皮膚科学会のHPでも紹介しておりますのでご参照ください。

日本皮膚科学会のHP

小児皮膚科(保険診療)

子どもの皮膚は非常に敏感で、皮膚トラブルが生じやすいものです。私自身、2児の母であり、子どもを心配するご家族様の気持ちがよく分かります。
当院ではおむつ交換室や、キッズコーナーを備えております。お気軽にご相談ください。

よくご相談いただく症状と治療方針

小児アトピー性皮膚炎

症状

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性的な皮膚疾患です。乳幼児で2ヵ月以上、幼児期では6ヵ月以上にわたり症状が続くとアトピー性皮膚炎と診断いたします。
年齢が高くなるにつれて自然と症状が改善していく傾向にあります。かゆみを伴う皮膚症状が特徴的な分布で繰り返し出現することが診断の決め手となります。

治療方針・内容

アトピー性皮膚炎の定義のひとつに「慢性・反復性の経過」とあり、乳児では2ヵ月以上、幼児期では6ヵ月以上とされてます。つまり経過を見なければアトピー性皮膚炎と診断することはできません。そのため定期的に受診いただき、経過を見ていくことが大切です。

治療はスキンケア、かゆみや炎症を抑えるためのステロイドや免疫抑制剤の外用薬、そして抗アレルギー薬の内服を中心に治療を始めます。近年、注射薬や新しい内服薬も登場し、治療の選択肢が広がっています。

おむつ皮膚炎

症状

尿や便に含まれるアンモニア、酵素などで皮膚が刺激されて、おむつの当たる部位に赤いブツブツやただれができます。

治療方針・内容

こまめにおむつを交換し、亜鉛華軟膏やワセリンで保護しましょう。症状がひどい場合、短期間弱いステロイド軟膏を使用します。

カンジダ性皮膚炎といって、便の中にいるカンジダ菌が皮膚のデリケートな赤ちゃんのお尻について炎症を起こしている可能性もあります。自己判断せずに受診して経過を見てもらいましょう

みずいぼ(伝染性軟属腫)

症状

みずいぼは伝染性軟属腫ウイルス感染によっておこります。アトピー性皮膚炎などの乾燥皮膚や湿疹に生じやすく、プールでの感染も多くみられます。自然に治癒するには数ヵ月から一年以上要し、その間にかきむしって皮疹が広がることも多く、早めに治療されることをお勧めします。

治療方針・内容

治療はピンセットでみずいぼを一つずつ摘まんで中身を取り出します。痛みを軽減する麻酔のテープも保険適応ですので、お気軽にご相談ください。

とびひ(伝染性膿痂疹)

症状

あせもや虫刺されなどをかきむしった傷、すり傷、じゅくじゅくとした湿疹に細菌が感染して生じます。

治療方針・内容

治療は抗生剤の内服、外用です。かゆみが強い場合には抗アレルギー薬の内服やステロイド外用を行うこともあります。ひどくならないうちに治療を始めると、より早くきれいに治すことができます。気になる症状があれば早めに病院を受診しましょう。